私たちの文化は、いろいろな要素によって構成されていますが、昔から人類が使用してきた道具もその一つと考えられます。石器、土器、木器等を使用した時代から、金属を身近なものとした青銅器の時代を経て、紀元前15世紀には鉄器を駆使したヒッタイト民族により鉄器時代が始まりました。
最近では、プラスチック、セラミック等の新素材が次々と開発され私たちの周囲も多種多様の素材でうめられています。しかしながら、金属、その中でも鉄は、原料の調達のしやすさ、加工のしやすさ、その強度を中心とする優れた品質等から、まだまだ各種素材の代表的地位を維持しています。粗鉄の生産量が驚異的に伸びたのも第2次世界大戦後の僅かな期間であり、このことからも私たちがまだ鉄器文化の中で暮らしていると言えるでしょう。 |