鉄が錆びるには水と酸素との両方が必要であることは前に述べたとおりですが、それではその水と酸素とはどのような形で存在するのか考えてみましょう。水は大気中に水蒸気の形で存在しています。一方、大気中の酸素はこの水蒸気の中に溶け込んだ形でも存在しています。このように錆の原因となる水と酸素とは自然界においては共存しています。この大気中にどれ位の水蒸気が含まれているのかは下表に示してありますが、気温が高いほど多くの水蒸気が大気中に含まれることがわかります。
そこで日中の気温の高い時に湿気を吸い込んだ大気は、朝がたが冷えるとともに余分の水蒸気をはき出し、いわゆる結露といわれる現象が起こります。この結露水による錆は大気腐食と呼ばれています。 |